人工関節置換術(手術紹介)

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人工関節について

A)膝関節

1)人工膝関節全置換術(TKA)

 膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨 (すねの骨)、膝蓋骨(お皿)の3つの骨の組み合わせでできています。人工膝関節は関節の悪い箇所を切除し滑らかにした後、関節の代替として働くインプラントと呼ばれる人工膝関節部品に置き換える手術です。

 

人工膝関節施術例

変形性膝関節症(両側同時人工膝関節置換術)

手術前 手術後

 

2)人工膝関節単顆(たんか)置換術 (UKA)

当院では、人工膝関節全置換術(TKA)よりもさらに低侵襲で、高い関節機能の獲得が可能な、人工膝関節単顆(たんか)置換術(UKA)を積極的に行っております。UKAは、軟骨が損傷している部分のみをインプラントで置換し、損傷していない軟骨やじん帯を温存することができます。TKAに比べ、手術のできる人は膝の状態によって限られますが、腰椎麻酔のみで手術ができ、6~8cmの皮膚切開で筋肉へのダメージはほとんどありません。手術後の膝関節の機能回復がTKAに比べ良好で、患者さんの満足度も高くなっています。

人工関節の寿命

 人工関節の寿命は、患者さんの身体的条件・活動度・体重など、多くの要素に影響されますが、今日では一般的に15年~20年と言われています。人工関節インプラントは最新の技術によってつくられているとはいえ、人工物である以上、その耐久性には限界があります。しかし、主治医の指示に従い、患者さんが日常生活上の注意点をきちんと守ることによって、人工関節の寿命を出来るだけ長く保つことが可能となります。

 

 B)股関節

1)人工股関節置換術(THA)

 股関節のいたんでいる部分を取りのぞき、人工の関節に置きかえる手術です。人工関節は、基本的には金属と、金属に対して滑りのいいプラスチックから作られています。人工股関節は、金属製の大腿骨(だいたいこつ)の中に入れる棒状のステムというものとボール、そして骨盤側のカップと、その中に入るプラスチックが組み合わさって構成されます。

実際の人工股関節の手術では、関節の痛んだ部分を取り除いて、骨盤側には金属製のカップをボルトで固定し、大腿骨側には、金属製のステムを挿入します。そして、その先端のボールとプラスチックが組み合わさってスムーズに動く人工関節となるわけです。

前方進入法について

 当院で行っている前方進入法は筋肉を全く損傷しないため、術後の早期回復(翌日から歩行可能)に有用であるだけでなく、従来脱臼予防のため厳重な注意が必要であった生活動作の制限もほとんど不要となりました。日本全体ではまだ15%程度の普及率ですが、当院ではこの方法による手術を行っています。術後の患者さんの中にはゴルフやテニスなどのスポーツを楽しんでいる方もいらっしゃいます。私たちはこのような「手術したことを忘れている関節」を再建することを目指しています。

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